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尿蛋白測定法―ピロガロールレッドMo法の問題点と改良試薬の評価
著者: 外園栄作1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院保健学部門
ページ範囲:P.662 - P.664
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現在,尿中総蛋白測定試薬として検査室で用いられている試薬は,主にピロガロールレッドMo錯体法(PR-Mo法)を原理とする方法が主流であり,この方法を原理とする試薬を採用している施設は,実に全国の検査室の86%を占め,その普及率の高さがうかがえる1).しかし,PR-Mo法は,これまで,グロブリンへの反応性が低いことや低値直線性に問題があった.そこで本稿では,その問題点が改善されたとする改良試薬について,基礎的定量特性ならびにグロブリンへの反応特性について,従来試薬との比較データを踏まえながら改良試薬の評価を記す.
現在,尿中総蛋白測定試薬として検査室で用いられている試薬は,主にピロガロールレッドMo錯体法(PR-Mo法)を原理とする方法が主流であり,この方法を原理とする試薬を採用している施設は,実に全国の検査室の86%を占め,その普及率の高さがうかがえる1).しかし,PR-Mo法は,これまで,グロブリンへの反応性が低いことや低値直線性に問題があった.そこで本稿では,その問題点が改善されたとする改良試薬について,基礎的定量特性ならびにグロブリンへの反応特性について,従来試薬との比較データを踏まえながら改良試薬の評価を記す.
参考文献
1) 日本臨床衛生検査技師会総合精度保障委員会,精度管理調査委員会:日臨技臨床検査精度管理調査 総括統計表.日本臨床衛生検査技師会,p42,2008
2) Fujita Y, Mori I, Kitano S:Color reaction between pyrogallol red-molybdenum (VI) complex, and protein. Bunseki Kagaku 32:379-386,1983
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