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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻1号

2011年01月発行

文献概要

技術講座 生化学

日常検査値の不確かさの推定法

著者: 多田正人1 尾崎由基男1

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.19 - P.27

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新しい知見

不確かさの推定は,新たな測定法の導入時や,測定法の変更時に実施され,日常検査値の信頼性を表現する指標であり,従来の測定法の正確さ・精密さ評価に対応する概念である.すなわち,不確かさは測定法の性能特性の一つであり,測定に関するトレーサビリティ連鎖に対し,その体系からのゆらぎを具体的な大きさで表したものが不確かさといえる.不確かさの推定に当たり実践上の留意点としては,事例ごとの測定したデータに対し,それぞれに関与する不確かさの成分がすべて含まれて,またデータの内容に適合した適切な統計手法を用いて解析することが重要である.日常検査値の不確かさの推定には,①日常検査値の不確かさの推定(基本実験),②校正による成分を別に求める日常検査値の不確かさの推定,③内部精度管理データを用いた日常検査値の不確かさの推定,の3種類のプログラムが用意されており,実施した推定実験に対応したソフトを利用する必要がある.

参考文献

1) 細萱茂実,桑克彦,濱﨑直孝:臨床検査における測定の不確かさ・ケース別推定法.臨床化学 34:40-46,2005
2) 日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:キャリブレータおよびQA用試料の不確かさ評価方法(Ver.1.4).臨床化学 32:186-199,2003
3) JCCLS認証委員会標準物質小委員会WG:標準物質(ERM)Lot004の設定概要.日本臨床検査標準協議会会誌 19:3-52,2004
4) 細萱茂実:測定結果の信頼性を表現するための新しい国際ルール~臨床検査における不確かさの評価~.日本臨床検査自動化学会会誌 30:647-653,2005
5) 細萱茂実,尾崎由基男:日常検査値の不確かさの推定.生物試料分析 28:126-132,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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