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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻1号

2011年01月発行

文献概要

コーヒーブレイク

ブランチラボから自主運営回帰―第3回 戦略編

著者: 木村浩則1

所属機関: 1市立柏病院検査科

ページ範囲:P.61 - P.61

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 病院における経営資源とは,人,もの,金,情報,安全である.検査室も例外なくこの条件を確保しないことには,運営など到底できるものではない.病院というところは赤字に転落すると,とにかくケチりたがる.ケチるとそのひずみが医療の質を低下させる.医療の質が低下すれば患者サービスが低下し安全性さえ失いかねない.医療事故でも起こせばたちまちマスコミの餌食となり患者が激減し,倒産にさえ追い込まれかねない.まさに負のスパイラルへ急加速するわけである.

 どうすれば事務長をはじめとする病院経営部門を納得させることができるだろう.事務長がしきりに私にいう.「経営に強い病院とは,部門間に隙間がないことが重要だ」という.「委託すればするほど融通が利かない」ともいう.そして「ブランチは本意ではなかった」という.ブランチが本意でないのであれば,答えは簡単である.病院が望む検査室をつくればいい.しかしそれは,検査室にとっては大変なストレスである.検査技師がどこまでその可能性を広げられるかは一つの挑戦でもある.第一,部下がついてこなかったらお手上げである.破れかぶれ,色々な学会で耳にする検査業務を片っ端から取り込もうとした.ちょっとハッタリではあるが手をこまねいて,やらないよりはマシである.中央採血・内視鏡検査の介助・機器管理・健診業務・排尿機能検査・外来のサテライト検査,まぁ,こんなもんだろう.これをするから人を採用してほしいということは簡単である.馬鹿でもできる.でも失敗すれば,部下に文句を言われ,仕事がきつくなれば当然辞めていくだろう.しかも検査室の運営費を抑制しなければ経営部門は納得しない.これを両立するにはどうしたらいい???

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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