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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典

Ⅰ 生化学

アミラーゼ

著者: 小川善資1

所属機関: 1北里大学医療衛生学部医療検査学科臨床化学

ページ範囲:P.745 - P.747

文献概要

検査の概要

 アミラーゼは唾液腺・膵臓で生成され,消化管に分泌される消化酵素の一つである.アミラーゼは血液中に出現しても,短時間に尿中へ排泄される.血清中の活性が高いときには数時間遅れて尿中の活性も上昇する.このため,血清中の活性と尿中活性測定の依頼が同時に出されることが多い.膵臓疾患では血中アミラーゼ活性が高くなると思い込んでおられる方が多いが,高アミラーゼ血症中10%に満たない程度である.腹部に強い痛みがある方は膵臓に疾患がなくとも高アミラーゼ血症になっていることが多い.膵臓由来アイソエンザイムの測定や数時間後に再度測定をしたり,尿中アミラーゼを測定し,総合的に測定値を判断したり,腹部超音波検査,MRI検査,X線検査と組み合わせる必要がある.また,アミラーゼの動きは速く,大きいため,ごく簡単に測定できる簡易検査で測定することがよいと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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