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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

文献概要

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅰ 生化学

ナトリウム〔Na〕

著者: 猪田猛久1 松尾収二1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.752 - P.754

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検査の概要

 生体のナトリウム(Na)量の変化は体液量の変化をもたらすので,臨床上きわめて重要である.これはNaが細胞外液の主要な陽イオンであるためである.したがって,Na代謝異常時には体液量の異常(浮腫,脱水)を伴う場合が多い.血清Na値の異常という観点からみると,血清Na値は水とのバランスによって決まる.必ずしも絶対的なNaの過不足を表しているとは限らないところに解釈の難しさがある.

 測定は多くの施設ではイオン選択電極が用いられている.イオン選択電極による測定では試料を希釈して測定する希釈法と,血液ガスなどとともに全血で直接測定する方法がある.希釈法は高イオン緩衝液を使用するため測定条件が一定となり,血清だけでなく尿など幅広い試料の測定が可能である.一方,希釈をしない直接測定法は血液など試料が限定的である.

参考文献

1) 阿部信一:血清電解質の正常値とその意味.諏訪邦夫(編):〈臨床検査MOOK〉血清電解質と血液ガス.金原出版,pp4-12,1981
2) 黒川清:水・電解質代謝と酸塩基平衡.南江堂,pp26-43,1996
3) 小出輝:ナトリウム,カリウム,塩素.日本臨床 38(春季増刊):811-822,1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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