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増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅰ 生化学
クレアチニン〔Cr〕
著者: 布田典子1 秋澤忠男1
所属機関: 1昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門
ページ範囲:P.771 - P.773
文献購入ページに移動クレアチニン(creatinine,Cr)は筋細胞内でほぼ一定の割合で産生されるクレアチンの代謝産物であり,筋細胞から血中へ出て,糸球体で濾過され,尿細管でほぼ再吸収も分泌もされずに尿中に排泄される1).したがって,血清クレアチニン濃度は,筋細胞での産生量と尿中への排泄量に左右される2).筋肉量が一定の場合にはクレアチニンの産生量は一定と考えられることから,血清クレアチニン値は腎臓からの排泄量を反映し,糸球体濾過値の指標となる1).糸球体濾過値と血清クレアチニン値はほぼ反比例することはよく知られており,血清クレアチニン値は腎障害の程度を把握する最も簡便かつ有用な検査である3).
血清クレアチニンの測定法は酵素法とJaffe法に大別され,Jaffe法では酵素法より0.1~0.2mg/dl高値を示すが,最近の測定はほぼ酵素法に統一されている.
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