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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

文献概要

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅰ 生化学

クレアチニン〔Cr〕

著者: 布田典子1 秋澤忠男1

所属機関: 1昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門

ページ範囲:P.771 - P.773

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検査の概要

 クレアチニン(creatinine,Cr)は筋細胞内でほぼ一定の割合で産生されるクレアチンの代謝産物であり,筋細胞から血中へ出て,糸球体で濾過され,尿細管でほぼ再吸収も分泌もされずに尿中に排泄される1).したがって,血清クレアチニン濃度は,筋細胞での産生量と尿中への排泄量に左右される2).筋肉量が一定の場合にはクレアチニンの産生量は一定と考えられることから,血清クレアチニン値は腎臓からの排泄量を反映し,糸球体濾過値の指標となる1).糸球体濾過値と血清クレアチニン値はほぼ反比例することはよく知られており,血清クレアチニン値は腎障害の程度を把握する最も簡便かつ有用な検査である3)

 血清クレアチニンの測定法は酵素法とJaffe法に大別され,Jaffe法では酵素法より0.1~0.2mg/dl高値を示すが,最近の測定はほぼ酵素法に統一されている.

参考文献

1) 飯野靖彦:血清クレアチニン検査からeGFR算出への経緯(Q&A).日本医事新報 4517:76-77,2010
2) 森下芳孝:CRE,UN.検査と技術 33(増刊):1260-1263,2005
3) 藤垣嘉秀,菱田明:腎・泌尿器疾患.日本内科学会雑誌 97(12):71-77,2008
4) 日本臨床検査自動化学会:極端値・パニック値対応マニュアルVer.1.4.日本臨床検査自動化学会会誌 30(Suppl1):63-67,2005
5) 菊池春人:血中クレアチニン濃度異常値.検査と技術 34:786-788,2006
6) 上田史郎:腎不全.検査と技術 33:1067-1069,2005
7) Bellomo R, Ronco C, Kellum JA, et al : Acute Dialysis Quality Initiative Workgroup : Acute renal failure-definition, outcome measures, animal modeles, fluid therapy and information technology needs : tne Second International Consensus Conference of the Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI) Group. Crit Care 8:R204-212,2004
8) Mehta RL, Kellum JA, Shah SV, et al:Acute Kidney Injury Network : Report of an initiative to improve outcomes in acute kidney injury. Crit Care 2007;11:R31,2007
9) 日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2009.東京医学社,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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