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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

文献概要

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅱ 血液

ヘモグロビン〔Hb〕《血色素》

著者: 辻岡貴之1 通山薫1

所属機関: 1川崎医科大学検査診断学

ページ範囲:P.803 - P.805

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検査の概要

 ヘモグロビン(hemoglobin,Hb)は赤血球内容のおよそ1/3を占めている.酸素運搬能の本体である.したがって,ヘモグロビン濃度の高低が貧血や多血を決定づける主因であるといってよい.世界保健機関(World Health Organization,WHO)による貧血の基準は血中ヘモグロビン濃度によって定義されている.

 ヘモグロビン濃度測定には,1966年国際標準法として推奨されたシアンメトヘモグロビン法が普及している.本法はシアンメトヘモグロビンの分子吸光係数から精密な分光光度計を用いて濃度を測定する.しかし,シアン法は廃液処理上問題があるため,現在,自動測定法はノンシアン法へと変換しつつあり,酸化ヘモグロビン法,ラウリル硫酸ナトリウムを用いる方法が考案されている.ヘモグロビン濃度測定には通常自動血球分析装置が用いられ,全血球計算(complete blood cell count,CBC)の1項目として表示される1)

参考文献

1) 金井正光:臨床検査法提要,第32版.金原出版,p272,2005
2) 辻岡貴之,通山薫:ヘモグロビン(血色素)濃度.中井利昭(編):検査値のみかた.中外医学社,pp376-377,2006
3) 奈良信雄:白血球,赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリット,赤血球指数,網赤血球.Medicina 47(増刊):56-59,2010
4) 伊藤満,通山薫:高度貧血.血液フロンティア 14:555-563,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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