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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典

Ⅲ 輸血検査

血液型

著者: 曽根伸治1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.824 - P.829

文献概要

検査の概要

 ABO血液型検査は,抗A,抗B血清を用いるオモテ検査とA,B血球を用いるウラ検査を試験管法やカラム凝集法で行うのが一般的である.オモテ検査は赤血球膜上のA抗原,B抗原の発現を検査する.ウラ検査は血清中の抗A,抗B抗体を検出するものであり,両者の結果が一致した場合のみABO型が確定できる.しかし,血球上のA,B抗原の発現量が少なく反応が陰性となる場合や,血清蛋白の異常などでオモテ検査とウラ検査が一致しないことがある.

 また,Rho(D)血液型検査は,抗D血清およびRh-hrコントロールを用いて試験管法やカラム凝集法で検査を行う.患者のABO型と不適合な輸血は,患者死亡などの重大なインシデントを引き起こすことがあるので,血液型検査は輸血を行う場合に非常に重要な検査である.通常,輸血には,患者のABO型とRho(D)型が同じ血液が使用される.時に交差適合試験の主試験が陰性,副試験陽性の異型適合血の輸血が行われることもある.例えば,ABO型を判定する時間的余裕がない場合はO型濃厚赤血球の輸血が実施される.

参考文献

1) Bhende YM, Deshpande CK, Bhatia HM, et al:A "new" blood-group character related to the ABO system Lancet 1:903-904,1952
2) 大久保康人:血液型と輸血検査,第2版.医歯薬出版,pp24-28,1997
3) Vos GH, Vos D, Kirk RL, et al:A sample of blood with no detectable Rh antigens. Lancet 1:14-15,1961

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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