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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

文献概要

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅴ 生理

脳波

著者: 吉本紅子1

所属機関: 1北里大学東病院臨床検査部

ページ範囲:P.887 - P.893

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はじめに(検査の概要)

 脳波とは,大脳皮質の神経細胞の電気的活動を導出し,脳波波形として記録する検査である.対象となるのは,てんかん,脳腫瘍,脳梗塞や脳出血などの脳血管障害,頭部外傷,脳炎などの感染症,睡眠障害,精神疾患などがあり,これらの疾患の脳波診断を行うとともに経過観察や治療効果,予後の判定,意識障害の確認から脳死の判定など,多彩な目的で臨床応用されている.

 脳波検査におけるパニック値とは,①てんかんなどの臨床発作が起きた場合,あるいは起こしうる突発性律動波が確認された場合,②急変の可能性を示唆する波形が確認された場合,③検査目的と異なる異常波形が確認された場合などが該当する.また,経過観察中の症例でも,いつもと異なる異常波形が確認された場合は,医師に報告する必要がある.

参考文献

1) 大熊輝雄:臨床脳波学,第5版.医学書院,1999
2) 堀浩,下河内稔,西浦信博,他:脳波・筋電図用語辞典,新訂第2版.永井書店,1999
3) 黒岩義之,東儀英夫,Celesia GG : Suppression Burstsについて.臨床脳波 26:283-292,1984
4) 一條貞夫,高橋系一:脳波判読に関する101章.医学書院,1998
5) 小野澤裕也:標準臨床脳波検査法.神奈川県臨床衛生検査技師会雑誌 45:17-41,2010
6) 吉本紅子:脳波賦活法の基本手技と注意点.Medical Technology 34:580-584,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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