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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻10号

2011年09月発行

文献概要

増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典 Ⅷ 薬物検査

アルコール

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学医学部医学教育推進室

ページ範囲:P.962 - P.963

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検査の概要

 東京消防庁によると,2007年の急性アルコール中毒による搬送人員は男性8,026人,女性4,506人の計12,532人である.年齢別分布では20歳代が5,885人で最多であり,次いで30歳代の2,454人,60歳以上の1,337人と続く.法律上はアルコール禁止であるはずの20歳未満が738人であり,飲酒の未成年化の社会問題とも一致している.

 血中アルコール(エタノール)測定は,このような明らかな急性アルコール中毒が推測できる場合で測定されることはそれほど多くはなく,救急外来の外傷症例でアルコールの関与が疑われる場合に測定されることが多い.外傷のために救命救急センターを受診した2,461例中,血中アルコール濃度を測定したのは346例(14.1%)であり,238例はアルコールの関与が認められたとの報告1)(日本医科大学,1980~1989年)がある.このように,急性アルコール中毒の程度を知るためと外傷などの受傷原因の解明のために血中アルコール濃度が測定される.

参考文献

1) 山本保博,牧野俊郎:エタノール(急性アルコール中毒).井村裕夫,尾形悦郎,高久史麿,他(編):最新内科学大系76 環境性疾患 2臨床中毒.中山書店,pp125-129,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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