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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻11号

2011年10月発行

文献概要

技術講座 病理

ASC-USとASC-Hの問題点

著者: 伊藤仁1 加戸伸明1 宮嶋葉子1

所属機関: 1東海大学医学部付属病院病理検査技術科

ページ範囲:P.989 - P.993

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はじめに

 わが国の子宮頸部細胞診の細胞診判定にはPapanicolaou分類をもとに考案されたクラス分類(日本母性保護医協会分類:日母分類)が長年用いられてきたが,海外においては1988年に作製されたベセスダシステムによる細胞診報告様式が採用されて以来,クラス分類は使用されなくなってきた.このような情勢のなか,2008年,わが国においても子宮頸がん検診にベセスダシステム2001準拠細胞診報告様式(表1,2)1)が採用されることが日本産婦人科医会で決まった.

 その決定から数年,日本産婦人科学会や日本臨床細胞学会でその現状や問題点,“意義不明な異型扁平上皮細胞(atypical squamous cells of undetermined significance,ASC-US)”や“高度扁平上皮内病変(high grade squamous intraepitherial lesion,HSIL)を除外できない異型扁平上皮細胞(atypical squamous cells cannot exclude HSIL,ASC-H)”の細胞像についての報告やシンポジウムが盛んに催されるようになった.このような状況のなか,本稿では,ベセスダシステムのカテゴリーの一つであるASC-USとASC-Hについて現状と問題点を中心に記述する.

参考文献

1) 鈴木光明,今野良,大村峯夫,他:ベセスダシステム2001準拠子宮頸部細胞診報告様式の理解のために,日本産婦人科医会,2008
2) Solomon D, Davey D, Kurman R, et al : The 2001 Bethesda System : terminology for reporting results of cervical cytology. JAMA 287:2114-2119,2002
3) 青木大輔:知っておきたい子宮頸部細胞診の報告様式 ベセスダシステム2001.日本産科婦人科学会雑誌 60:N178-N184,2008
4) ASCUS-LSIL Traige Study (ALTS) Group : Results of a randomized trial on the management of cytology interpretations of atypical squamous cells of undetermined significance. Am J Obstet Gynecol 188:1383-1392,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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