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ブランチラボの効果
著者: 佐野道孝1
所属機関: 1国立循環器研究センター臨床検査部
ページ範囲:P.1001 - P.1001
文献購入ページに移動ブランチラボの効果を考えるとき,経営的側面と運用的側面の両面からの評価が必要であろう.ブランチラボ導入施設においてその導入前後を比較すると,総検査技師数は増加している病院が多くある.この意味することは人的な余裕が生まれるということで,運用的メリットといえる.例えば,病院として検査技師を増やせない状況下において生理検査を強化したいとき,検体検査をブランチラボ化することにより,病院所属の検査技師を生理検査にシフトすることが可能になる.検査室全体では人員増による効果で,診療に対し大きなアピールと貢献につながる.しかし,経営効率だけを考えて,単なる検査室の外部委託化や人件費の削減を目的とした導入の場合,まず病院所属の技師のリストラが始まる.検査室の二重構造という欠陥と相俟って,検査室が崩壊し悲劇の歴史が始まるのである.ブランチラボで効果を上げるには,構造上の欠陥を埋める努力が必要であるし,病院検査室とブランチラボが信頼のおけるよきパートナーの関係でなければならない.協調関係がないと人材育成や運用面で多くの問題が発生するのは当然の結果である.
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