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サイログロブリン遺伝子異常症
著者: 廣川満良1 樋口観世子2 太田寿2
所属機関: 1隈病院病理診断科 2隈病院臨床検査科
ページ範囲:P.1010 - P.1010
文献購入ページに移動30歳代,女性.生下時から甲状腺腫大が認められ,dyshormonogenetic goiterが疑われて経過観察されていた.甲状腺機能検査では,FT40.53ng/dl(0.7~1.6ng/dl),FT32.71pg/ml(1.7~3.7pg/ml),TSH4.059μIU/ml(0.3~5.0μIU/ml),サイログロブリン(thyroglobulin,Tg)4.8ng/ml(0~35ng/ml),TPOAb≦0.3U/ml(0~27.9U/ml)であった.放射性ヨード摂取率は2時間値で50.8%,パークロレート放出試験は放出率1.7%と陰性であった.超音波検査では,甲状腺は著明に腫大し,多発性の結節性病変がみられた.甲状腺実質はやや不均一で,ドプラ像では,血流シグナルが著明に増加していた.結節部および非結節部の穿刺吸引細胞診が行われ,いずれも良性と判断された.遺伝子検査にてホモのミスセンス変異(Cys1264Arg)が認められた.
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