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臨床医からの質問に答える
アンモニア,ACTH,レニン測定などの検体はなぜ採取後直ちに氷冷しなければならないのでしょうか
著者: 佐藤真由美1 川崎理一23 米山彰子4
所属機関: 1虎の門病院臨床検体検査部検体受付管理科 2虎の門病院臨床検体検査部イムノアッセイ検査科 3虎の門病院臨床検体検査部緊急検査科 4虎の門病院臨床検体検査部
ページ範囲:P.1033 - P.1035
文献購入ページに移動採血後の血液中の成分は,放置によってさまざまな変化が起こることは既知の事実である.採血後全血で放置すると,血球と血漿とで濃度差が大きい成分は両者間で遊離・拡散が起こる.また,血液中の酵素などの働きによって分解・生成・変性が起こる1).特にアンモニアやペプチドホルモンは,室温での保存安定性が悪いことが知られているので,採血後直ちに採血管を氷水中に入れて冷却し,速やかに血漿分離後測定する.すぐに測定できない場合は,凍結保存することが鉄則とされている.
本稿では,アンモニア,副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone,ACTH),およびレニンについて採血後の安定性について実験データを交えて述べる.
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