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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻11号

2011年10月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

アンモニア,ACTH,レニン測定などの検体はなぜ採取後直ちに氷冷しなければならないのでしょうか

著者: 佐藤真由美1 川崎理一23 米山彰子4

所属機関: 1虎の門病院臨床検体検査部検体受付管理科 2虎の門病院臨床検体検査部イムノアッセイ検査科 3虎の門病院臨床検体検査部緊急検査科 4虎の門病院臨床検体検査部

ページ範囲:P.1033 - P.1035

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はじめに

 採血後の血液中の成分は,放置によってさまざまな変化が起こることは既知の事実である.採血後全血で放置すると,血球と血漿とで濃度差が大きい成分は両者間で遊離・拡散が起こる.また,血液中の酵素などの働きによって分解・生成・変性が起こる1).特にアンモニアやペプチドホルモンは,室温での保存安定性が悪いことが知られているので,採血後直ちに採血管を氷水中に入れて冷却し,速やかに血漿分離後測定する.すぐに測定できない場合は,凍結保存することが鉄則とされている.

 本稿では,アンモニア,副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone,ACTH),およびレニンについて採血後の安定性について実験データを交えて述べる.

参考文献

1) 河合忠,菅野剛史,木下満州夫(編):臨床検査Q&A 臨床検査総論.金原出版,pp55-59,1985
2) 金井泉(原著),金井正光(編):臨床検査法提要 第31版.金原出版,pp517-521,1998
3) 本多弘子,松本文枝,萩原三千男,他:電気化学発行免疫測定法「エクルーシス試薬ACTH」による血漿ACTH測定法の基礎的検討.臨床検査 54:948-953,2010
4) 鎌田陽子,新谷晃司,永田喜彦,他:全自動副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)測定試薬の開発.東ソー研究・技術報告 54:75-81,2010
5) Campbell DJ, Nussberger J, Stowasser M, et al : Activity assays and immunoassays for plasma renin and prorenin : information provided and precautions necessary for accurate measurement. Clin Chem 55:867-877,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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