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臨床検査のピットフォール
血清クレアチニン値による腎機能評価のピットフォール
著者: 片桐大輔1 土井研人1 野入英世1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院血液浄化療法部
ページ範囲:P.1037 - P.1039
文献購入ページに移動腎臓の最も基本的な働きは血液を糸球体で濾過することであり,これによってできる濾液の量,つまり糸球体濾過率(glomerular filtration rate, GFR)が腎臓の機能指標としてふさわしい.GFRの測定物質として理想的なものは糸球体を自由に濾過し尿細管で再吸収を受けないイヌリン(inulin,in)であり,その腎クリアランスは,GFRと等しいとされている.このため正確な腎機能の評価にはイヌリンを用いたクリアランス法(Cin)によるGFRの測定がゴールドスタンダードである.しかし,この方法は定時的な尿検査や点滴の必要性など手技の問題があるため,日常的臨床の場ですべての患者に対してCinを検査するのは困難である.
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