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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻11号

2011年10月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

血清クレアチニン値による腎機能評価のピットフォール

著者: 片桐大輔1 土井研人1 野入英世1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院血液浄化療法部

ページ範囲:P.1037 - P.1039

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正確な腎機能評価のために

 腎臓の最も基本的な働きは血液を糸球体で濾過することであり,これによってできる濾液の量,つまり糸球体濾過率(glomerular filtration rate, GFR)が腎臓の機能指標としてふさわしい.GFRの測定物質として理想的なものは糸球体を自由に濾過し尿細管で再吸収を受けないイヌリン(inulin,in)であり,その腎クリアランスは,GFRと等しいとされている.このため正確な腎機能の評価にはイヌリンを用いたクリアランス法(Cin)によるGFRの測定がゴールドスタンダードである.しかし,この方法は定時的な尿検査や点滴の必要性など手技の問題があるため,日常的臨床の場ですべての患者に対してCinを検査するのは困難である.

参考文献

1) Vaidya VS, Ferguson MA, Bonventre JV : Biomarkers of acute kidney injury. Annu Rev Pharmacol Toxicol 48:463-493,2008
2) Coca SG, Peixoto AJ, Garg AX, et al : The prognostic importance of a small acute decrement in kidney function in hospitalized patients : a systematic review and meta-analysis. Am J Kidney Dis 50:712-720,2007
3) Waikar SS, Bonventre JV : Creatinine kinetics and the definition of acute kidney injury. J Am Soc Nephrol 20:672-679,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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