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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻12号

2011年11月発行

文献概要

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あとがき・次号予告・ラボクイズ正解者

著者: 種村正

所属機関:

ページ範囲:P.1124 - P.1124

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あとがき

 人の五感の使用割合は視覚87%,聴覚7%,触覚3%,嗅覚2%,味覚1%だという説があるが,最近の仕事はつくづく目を使うことが多いなあと思っている.私は超音波検査にずっと携わってきたが,電子カルテや生理検査システムが導入されてからはペーパーレス運用となり,もっぱらモニター画面ばかりを見ている.実際に患者の顔や身体を見る時間よりも,モニターを見ている時間のほうが何十倍も長いであろう.電子化に伴って目の負担は増すばかりである.

 私はある学会の研究開発班で,超音波検査に携わっている検査者の負担を軽減しようという調査研究に参加している.ここでは,実態調査を行ったうえで,超音波診断装置のモニター,椅子,ベッドなどの高さ,あるいは検査時の姿勢と身体への負担度の関係を実験で求めたり,モニターの明るさ,照明,空調などの理想的な検査環境について,具体的な指針作りを行ったりする予定である.今まで検査をこなすことを優先して,検査者の負担を顧みない環境が当たり前であったが,ようやく自分たちの安全を守るということに目が向けられるかもしれない.超音波検査を長年やっていると腰痛や肩こりが辛いという人が多い.一種の職業病のようであるが,目や身体の負担を減らすために作業環境を整えるということはとても大切であると思っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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