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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻13号

2011年12月発行

トピックス

一般検査におけるバーチャルソフトウェア「サイトロン」の活用法

著者: 奈良豊1 扇田智彦1 岩田敏弘2 岡田茂治2 河野哲也3 猪浦一人4

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター 2埼玉県立がんセンター 3自治医科大学附属さいたま医療センター 4埼玉県済生会栗橋病院

ページ範囲:P.1187 - P.1191

文献概要

はじめに

 臨床検査における分析検査の分野では,試料を用いるコントロールサーベイの手法により標準化,施設間差の是正が進められており,有用な結果が得られている.一方,顕微鏡を用いる形態検査分野では鏡検技術の標準化,施設間差の是正方法として写真によるサーベイが実施されているが,その成分の形態や色調だけではなく,立体構造や背景情報など,できるだけ多くの情報が得られることが理想である.今まで実施されていた平面的な写真のサーベイでは情報量が少なく1),十分な解析と誤差要因の検証を行うことができなかった.これらの問題点を改善するためには,顕微鏡学的検査に近い方法で日常的技術を評価しなければならない.筆者らは,ケーアイテクノロジー社が開発したバーチャルソフトウェア「サイトロン」を利用して,一般検査領域の尿沈渣成分や髄液細胞について評価した結果,コントロールサーベイ資料として活用可能であることが検証された.

 本稿では,サイトロンの画像作成と操作法および一般検査における活用法について述べる.

参考文献

1) 稲垣伸介:バーチャルスライド「サイトロン」の有用性.Medical technology 36:385-388,2008
2) 稲垣伸介,小林勲,高山須実子,他:細胞診における多焦点バーチャルスライドの有用性.日本臨床細胞学会誌 47:25-28,2008
3) 河野哲也,扇田智彦,奈良豊,他:多焦点バーチャル画像ソフトを用いた細胞判定の試み.医学検査 58:648,2009
4) 奈良豊,扇田智彦,岡田茂治,他:多重焦点バーチャルソウトウェアー「サイトロン」の評価(第1報)―一般検査領域における有用性.医学検査 58:719,2009
5) 岩田敏弘,岡田茂治,猪浦一人,他:多重焦点バーチャルソウトウェアー「サイトロン」の評価(第2報)―フォトサーベイの試み.医学検査 58:719,2009
6) 奈良豊,扇田智彦,岡田茂治,他:埼玉県における多焦点バーチャルソフトウェアー『サイトロン』を利用したフォトサーベイ.医学検査 60:501,2011
7) 松田親史,小玉牧子,三島清司,他:島根県における尿沈渣鏡検技術の施設間差是正に向けた取り組み―多重焦点バーチャルソウトウェアー“サイトロン”の評価.医学検査 59:515,2010
8) 岡田茂治,小峰雅子,武関雄二,他:【日当直これだけは知っておきたい緊急検査マニュアル】 緊急検査の実施体制 埼玉県でのアンケートをもとに.Medical Technology 37(増刊):1387-1393,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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