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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻2号

2011年02月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈診療支援〉

臨床検査のガイドラインJSLM2009を読んでみよう

著者: 岡田正彦1

所属機関: 1新潟大学大学院・医学部予防医療学分野

ページ範囲:P.123 - P.125

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はじめに

 「検査や治療のやり方が病院ごとに違うのはおかしい」という声がマスメディアを通してときどき聞こえてくる.確かにそのとおりで,クリニカルパスやセコンドオピニオン外来,あるいは診断群別包括払い制度(diagnosis-procedure combination,DPC)などは,その期待に応えるための努力だったともいえる.一方,米国などでは,皆保険制度がないために生じた極端な医療格差,あるいは相次ぐ医療訴訟などに対応するため,標準的な医療を文章化しておく必要性もあった.これらさまざまな背景のもとに生まれたものが「診療ガイドライン」である.

 わが国でも1990年代に入り,多くの臨床系医学会が相次いで診療ガイドラインを刊行するようになり,今では日常診療に欠かせない存在となっている.日本臨床検査医学会(Japanese Society of Laboratory Medicine,JSLM)は,既に1989年,「日常初期診療における臨床検査の使い方・基本的検査」を刊行し,この分野での先駆けをなしている.

 一方,医療の標準化やマニュアル化は,多様性を阻み,新しい技術へのチャレンジを阻害するという側面ももっている.標準化と技術進歩は,常に裏腹な関係にあるといえる.本稿では,日本臨床検査医学会が作成した「臨床検査のガイドラインJSLM2009」(以下,「JSLM2009」)に対する筆者なりの解釈を述べるとともに,問題点,提言などについても言及してみたい.

参考文献

1) 日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会(編):臨床検査のガイドラインJSLM2009―検査値アプローチ,症候,疾患,検査の評価法.日本臨床検査医学会,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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