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検査と技術39巻2号

2011年02月発行

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jellyfish signとは

著者: 久米伸治1

所属機関: 1広島大学病院診療支援部高次医用画像部門

ページ範囲:P.139 - P.142

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はじめに

 頸動脈可動性プラークのなかでも拍動性血流が作り出す血管内圧の変化によって,プラーク表面が浮き沈みするプラークのことを“モバイルプラーク(mobile plaque)”と呼んでいる1).しかし,“mobile”の辞書的意味では「可動性の,動きやすい」といった理解が一般的であることから,プラークの動きをイメージしにくい.そこで筆者らは,超音波所見上の特徴を捉えた汎用性のある名称を用いたほうがよいと考え,従来mobile plaqueとされていたプラークの動きが,あたかもクラゲ(jellyfish)の伸縮運動によく似ていることから“ジェリーフィッシュサイン(jellyfish sign)”と呼称することを提案し,このような動きを示すプラーク自体を“ジェリーフィッシュプラーク(jellyfish plaque)”として報告してきた(図1)2~4)

 本稿では,筆者らの報告を契機に最近学会などで使用されるようになってきた“jellyfish plaque”と,画像所見“jellyfish sign”について説明する.ただし,“jellyfish plaque”については学会などで認知された確定的概念とまではいえず,むしろ臨床の場において“jellyfish sign”が先取りされた形で汎用されるようになってきたというのが現状である.

参考文献

1) 長束一行:プラークの分類と意義.山崎義光,矢坂正弘,尾崎俊也,他(編):臨床のための頸動脈エコー計測法(第二版).日本医事新報社,pp89-92,2008
2) 久米伸治,日比野誠一郎,小林益樹,他:Jellyfish sign(内頸動脈可動性plaque)の病理とその臨床像.Neurosonology 20:21-24,2007
3) 久米伸治:プラークを診る【超音波】.アールティー 40:59-66,2008
4) 久米伸治:誰でも分かるプラークの基礎知識―CT,MR,USによるプラークの性状診断.INNERVISION 23:55-58,2008
5) Kume S, Hama S, Yamane K, et al:Vulnerable carotid arterial plaque causing repeated ischemic stroke can be detected with B-mode ultrasonography as a mobile component:Jellyfish sign. Neurosurg Rev 33:419-430,2010
6) 日本脳神経超音波学会(編):脳神経超音波マニュアル.報光社,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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