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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻3号

2011年03月発行

文献概要

トピックス

薬剤結晶による乳び尿様の白色混濁尿

著者: 駒沢今日子1 手島伸一1

所属機関: 1同愛記念病院研究検査科

ページ範囲:P.209 - P.211

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はじめに

 通常,健常人の尿の色調は,水分摂取量により黄色調は変化するが,腎において産生されるウロクロムにより淡黄色を呈し透明である.黄色以外の異常な色調や混濁を示す場合には,ビリルビン尿,血尿,乳び尿,薬剤などによる着色尿などがある.そのなかでも乳白~白色の混濁尿を示す原因には乳び尿の他,膿尿,細菌尿,塩類尿などがあるが,今回,薬剤結晶により乳び尿様を呈した症例を経験した.本稿では,白色混濁尿と尿沈渣中の結晶に触れ,本症例での白色混濁尿がニューキノロン系抗菌薬であるメシル酸パズフロキサシン(pazufloxacin mesilate,PZFX)の結晶に由来することが判明した経緯と,多量に結晶が析出された成因について考察したので報告する.

参考文献

1) 伊藤機一(監):尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,pp30-32,2000
2) 坂牛省二:尿検査に必要な不明物質の鑑別法.検査と技術 31:409-415,2003
3) 高橋正宣,伊藤喜一:図説尿沈渣教本 第一版.宇宙堂八木書店,pp162-176,1979
4) 中島光好,梅村和夫,小菅和仁,他:Pazufloxacin注射薬の臨床第I相試験.日本化学療法学会誌 47:141-174,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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