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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻3号

2011年03月発行

文献概要

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あとがき・次号予告・ラボクイズ正解者

著者: 山内一由

所属機関:

ページ範囲:P.256 - P.256

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 本号が読者の皆様のお手元に届く頃には,厳しい寒さも和らぎ,春の気配を実感されていることと思います.

 今年の冬は例年にない厳しい寒さが続きました.聞くところによると,この厳冬は昨年の猛暑をもたらしたラニーニャ現象の余波とのことです.釈迦に説法かもしれませんが,ラニーニャ現象とは東太平洋赤道海域の海面温度が平年より低い状態が半年から一年ぐらい続くことです.これとは逆に,海面温度の上昇が長期間続くエルニーニョ現象が発生すると,日本では冷夏,暖冬となる傾向があります.よく,猛暑や厳冬は経済効果をもたらすのに対し,冷夏と暖冬は景気を悪化させると言われていますが,これはあくまでも市場原理主義的観点に基づいた評価に過ぎません.どちらの現象も「地球が病んでいる」徴候に他なりません.地球を生活の場としている人間が,経済指標で気候の良し悪しを比較すること自体,的外れも甚だしいことです.私たちにとって最も望ましいのは「地球が健康である」ことではないでしょうか.誕生して約46億年の地球と比べたら,生まれて間もない赤ん坊くらいでしかない非力な人間が,打算的になればなるほど地球の健康は害われ,ひいては,私たちの健康がしょくまれていくように思えます.地球が健康であり続けるために何をすべきか考えていくことは,私たち自身の健康維持にもつながるといえます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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