icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻4号

2011年04月発行

文献概要

病気のはなし

最近のリケッチア症

著者: 髙田伸弘1

所属機関: 1福井大学

ページ範囲:P.262 - P.268

文献購入ページに移動
サマリー

わが国にみるリケッチア症は寄生性ダニ類が媒介する病種が重要で,微小なツツガムシによるツツガムシ病,また吸血性のマダニによる紅斑熱群が挙げられる.前者は多様な媒介種が多様な菌型の共生微生物(Orientia tsutsugamushi)を保有し,古く知られながら,今なお新しい知見は引きも切らない.後者はわが国では1980年代後半からようやく実態が知られ,南西日本中心にみられる日本紅斑熱(Rickettsia japonica)が重要ながら,北日本ではユーラシア大陸共通性病種の確認も続き,今後とも遺伝解析に伴う多様な知見が得られよう.したがって,検査診断法をさらに改善し,疫学的認識を改めて臨床対応せねばならない.

参考文献

1) SADI組織委員会(編):ダニと新興再興感染症.全国農村教育協会,p296,2007
2) 多村憲:恙虫病病原体の微生物学.日本細菌誌 54:815-832,1995
3) 厚労省科研研究班(編):新興・再興感染症研究事業「リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症の総合的対策に関する研究」.厚生労働省,p191,2010
4) 高田伸弘:病原ダニ類図譜.金芳堂,p216,1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?