文献詳細
文献概要
役に立つ免疫組織化学●免疫組織化学で注目すべき抗体
乳癌とEカドヘリン
著者: 関邦彦1
所属機関: 1JR東京総合病院臨床検査科
ページ範囲:P.297 - P.299
文献購入ページに移動乳房は十数個の紡錘型の乳腺葉からなる.各乳腺葉は,乳頭部に開口する1本の導管(乳管)が分岐を繰り返して細くなり,終末盲端部では20~40個の小葉に分かれる.小葉の腺房細胞は授乳期を除けば導管上皮とほとんど変わりがないことから“細乳管”とも呼ばれている.小葉直前の終末乳管と小葉内の腺房までの乳管(導管)は,乳管系の末梢に位置し,ホルモン感受性組織terminal duct-lobular units(TDLU)という特殊な組織である.乳癌の大部分はこのTDLUの上皮細胞から発生する.初めは非浸潤性乳癌として乳管内で増殖し,やがて乳管基底膜を破壊して小葉間質に広がり,浸潤性乳癌へ移行すると考えられている.
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