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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻5号

2011年05月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

簡易血糖検査の差は何か

著者: 湯浅薫1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.388 - P.391

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はじめに

 SMBG(self-monitoring of blood glucose)とは自己血糖測定の略で,患者が自ら指頭より採血して血糖値を調べるシステムである.糖尿病患者が短時間で容易に自己の血糖値を知ることが可能であり,血糖のコントロール状態を知るうえで有用な手段となる.しかし,さまざまな要因により測定結果に差が生じることがあるので,本稿ではこのSMBG機器における測定値の誤差について概説する.

 SMBG機器の精度評価は,評価した測定値の95%が,75mg/dl未満では±15mg/dl以内,75mg/dl以上では±20%以内に入ることが,ISO15197による規定許容範囲の規格により要求されている(表1).

参考文献

1) ISO15197対外検査システム―糖尿病管理における自己測定のための血糖モニタリングシステムに対する要求事項,2003
2) 桑克彦:血糖自己測定.医器学 74:246-253,2004
3) 武井泉:簡易血糖測定法―各種測定法の原理と精度.内分泌・糖尿病 22:653-660,2006
4) 富永真琴:患者指導のためのSMBGのすべて 改訂第2版.日本医学出版,2005
5) 富永真琴,小林功,桑克彦,他:血糖自己測定機器の標準化と適正使用について.糖尿病 44:165-176,2001
6) 富永真琴,小林功,桑克彦,他:血糖自己測定機器の比較対象法としての静脈血法の有用性.糖尿病 45:825-833,2002
7) 厚生労働省医療薬食料局安全対策課:自己血糖検査用グルコースキット(グルコース脱水素にピロロキノリンキノンを使用するもの).医薬品・医療医用具等安全性情報 211:6,2005
8) 永友利津子,金子誠,大橋優美子,他:血糖自己測定機器の同時再現性について.プラクティス 26:661-666,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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