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コーヒーブレイク
自由という精神病―「逃亡狂」という疾病について
著者: 鈴木晃仁1
所属機関: 1慶應義塾大学経済学部
ページ範囲:P.359 - P.359
文献購入ページに移動この論文の全体の基調は,奴隷制を正当化しようという意図に貫かれている.当時高まっていた奴隷解放を唱える内外の勢力(北部の自由州やイギリスなど)に抵抗するために,奴隷制が正しいことを「医学的な見地から」主張した論文である.黒人の身体と精神はもともと奴隷状態にふさわしくできており,奴隷として適当に扱われないと病気になることをカートライトは主張し,その病気の病理学や治療法が示唆される.扱われている病気は,肺炎,瘰癧(るいれき),フランベシア,結核などのふつうの病気に加えて,カートライトが自ら発見し命名したものもあり,逃亡狂もその一つである.
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