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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻6号

2011年06月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生理〉

乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナは検診を変えるか

著者: 辻本文雄1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.426 - P.434

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はじめに

 わが国で開発された電子スキャナにより1970年代より超音波の臨床応用が可能となり,以後急速に超音波診断装置の改良と普及がなされてきた.超音波を用いた診断・治療の分野は現在に至っても進歩し続けており,最近の10年では,カラードプラ,パワードプラ,デジタルビームフォーマ(超音波断層画像のデジタル化),非線形効果を利用したハーモニックイメージング,超音波造影剤などが普及した1).乳腺領域では組織の硬さを超音波画像に反映させるエラストグラフィあるいは組織弾性イメージング,乳房自動走査装置などが開発され,臨床応用されつつある.乳がんのスクリーニング装置である乳房自動走査装置〔超音波自動ボリュームスキャナ,automated breast volume scanner(ABVS)〕は,検査士の技量によることなく,乳房全体をくまなく短時間で走査することができる.種々のものがあるが,当院で米国Siemens社と共同研究中のACUSON S2000 AVBSについて,その乳がん検診における有用性と将来展望について述べる.

参考文献

1) 辻本文雄:超音波医学辞典.秀潤社,pp337-339,2000
2) 平成17年度地域保健・老人保健事業報告(厚生労働省大臣官房統計情報部)
3) Kolb TM, Lichy J, Newhouse JH:Comparison of the performance of screening mammography, physical examination, and breast US and evaluation of factors that influence them:an analysis of 27,825 patient evaluations. Radiology 225:165-175,2002
4) Ohta T, Tsujimoto F, Okamoto K, et al:Use of ultrasonography as an alternative modality for first-line examination in detecting breast cancer in selected patients. Clinical breast cancer 7:624-626,2007
5) 岡崎寛子,辻本文雄,太田智行,他:当院の非浸潤性乳管癌(DCIS)におけるマンモグラフィ(MMG)および超音波(US)の仮想検診感度の比較.日乳癌検診学会誌 18:176-181,2009
6) 竹原靖明:乳房超音波診断の今昔―乳房超音波と私の歩み.乳癌の臨床 20:455-475,2005
7) Okamura T, Ohta T, Tsujimoto F, et al:Questionnaire survey on breast diagnostic imaging techniques:Subjective impression of mammography, conventional ultrsonography, and automated breast ultrasonography. J Med ultrasound 18:153-157,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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