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文献概要
Laboratory Practice 〈免疫血清〉
新しいイムノアッセイ「LOCI(Luminescent OxygenChanneling Immunoassay)法」
著者: 伊藤俊幸1
所属機関: 1シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 マーケティング部
ページ範囲:P.685 - P.687
文献購入ページに移動はじめに
近年,医療現場において,患者の視点に基づいた質の高い,かつ効率的な医療の提供が求められているが,現状のイムノアッセイ法には下記に挙げたいくつかの問題点が存在する.
●生化学・血液学的検査と比較して反応時間が長く,TAT(turn around time)が遅速となるため,臨床からの至急検査,診療前検査の要求に対応することができない.また,診療前検査に取り込むと,患者の待ち時間の延長などの問題が生じる.
●反応に必要な検体量が一般的に多いことに加え,複数の免疫血清学検査向けの専用装置を使用するために,検体の小分けが必要になり,さらに多くの採血量が必要となる.採血量の増加は患者の負担が大きくなる.
●複数の免疫血清学検査向けの専用装置を使用するため,装置の初期投資,消耗品費,保守・メンテナンス費用と時間,設置スペースなどが必要となる.
これらイムノアッセイ法の課題を克服するために,新しいイムノアッセイであるLOCI(Luminescent Oxygen Channeling Immunoassay)法は,シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社により開発された.高感度,短時間測定,および少量検体を特長としたLOCI法はB/F(bound/free)分離を必要としないホモジニアスな測定原理であり,甲状腺ホルモン,心筋マーカー,腫瘍マーカー,貧血関連マーカー,各種ホルモンの測定に適用が可能である.
本稿ではLOCI法の測定原理をはじめ,測定機器への適用とその基礎データについて紹介する.
近年,医療現場において,患者の視点に基づいた質の高い,かつ効率的な医療の提供が求められているが,現状のイムノアッセイ法には下記に挙げたいくつかの問題点が存在する.
●生化学・血液学的検査と比較して反応時間が長く,TAT(turn around time)が遅速となるため,臨床からの至急検査,診療前検査の要求に対応することができない.また,診療前検査に取り込むと,患者の待ち時間の延長などの問題が生じる.
●反応に必要な検体量が一般的に多いことに加え,複数の免疫血清学検査向けの専用装置を使用するために,検体の小分けが必要になり,さらに多くの採血量が必要となる.採血量の増加は患者の負担が大きくなる.
●複数の免疫血清学検査向けの専用装置を使用するため,装置の初期投資,消耗品費,保守・メンテナンス費用と時間,設置スペースなどが必要となる.
これらイムノアッセイ法の課題を克服するために,新しいイムノアッセイであるLOCI(Luminescent Oxygen Channeling Immunoassay)法は,シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社により開発された.高感度,短時間測定,および少量検体を特長としたLOCI法はB/F(bound/free)分離を必要としないホモジニアスな測定原理であり,甲状腺ホルモン,心筋マーカー,腫瘍マーカー,貧血関連マーカー,各種ホルモンの測定に適用が可能である.
本稿ではLOCI法の測定原理をはじめ,測定機器への適用とその基礎データについて紹介する.
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