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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻9号

2011年09月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生理〉

脳波記録時の心電図アーチファクト除去法

著者: 小野澤裕也1

所属機関: 1北里大学病院臨床検査部

ページ範囲:P.692 - P.696

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はじめに

 脳波は非常に小さな電位を記録する検査であり,高感度の差動増幅器を用いるため,脳波記録に混入する脳波以外の人工産物(以下,アーチファクト)がたびたび問題となる.記録の際にアーチファクトの混入していない脳波を目標とすることはもちろんであるが,やむをえずアーチファクトが混入した際には,脳波との鑑別が重要となり,そこに検査技術が問われ,大きく診断に影響する.

 脳波に混入するアーチファクトは,一般的に被検者自身に由来するもの(biologic or physiologic:生物的あるいは生理的要因),脳波計や電極などに由来するもの(instrumental:器具性),測定環境に由来するもの(environmental:環境性)の三つに大きく分類される.本稿で概説する心電図のアーチファクトは,被検者自身に由来する生理的要因のアーチファクトの代表的なものである1,2)

参考文献

1) Sato S, Reese K:脳波かアーチファクトか.第31回日本脳波・筋電図技術講習会テキスト:39-58,1994
2) Tyner FS, Knott JR, Mayer WB : Fundamentals of EEG technology, volume 1. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia,1983
3) 末永和栄:脳波.アーチファクトの見分け方と除去.第29回日本脳波・筋電図技術講習会テキスト:89-100,1992
4) 一条貞雄:頭部の右方回転による心電図アーチファクトの除去法.臨床脳波 24:341-346,1982
5) 石山陽事,三浦典子,野田治代,他:Artifactとして脳波記録に混入する心電図の頭皮上分布.臨床脳波 12:333-340,1970
6) Daly DD, Pedley TA : Current practice of clinical electroencephalography, second edition. Raven Press, New York,1990
7) 大熊輝雄:臨床脳波学 第5版.医学書院,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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