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文献詳細

雑誌文献

検査と技術39巻9号

2011年09月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

ABI値から評価する下肢動脈病変のピットフォール

著者: 若林弥生

所属機関: 1春日井市民病院臨床検査技術室

ページ範囲:P.700 - P.701

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はじめに

 末梢動脈の動脈硬化性疾患を末梢動脈疾患(peripheral arterial disease,PAD)といい,そのスクリーニング検査として,足関節上腕血圧比(ankle-brachial pressure index,ABPIもしくはABI)測定が用いられる.最近では四肢血圧自動測定装置が広く普及し,多くの施設でABI測定が実施されるようになってきた.ABIは,左右それぞれの足関節部における収縮期血圧(同側の後脛骨動脈もしくは足背動脈の高いほう)を,上腕動脈の収縮期血圧(左右の高いほう)で除し,算出される.正常範囲は0.9~1.4であり,0.9以下であればPAD,1.4以上の場合は動脈石灰化が疑われる.今回は,ABI値が正常であるにもかかわらず,下肢動脈に閉塞性病変が存在する症例を提示し,そのピットフォールについて解説する.

参考文献

1) 日本脈管学会(編訳):下肢閉塞性動脈硬化症の診断・治療指針II(TASCII).メディカルトリビューン,2007
2) 小澤利男(監),臨床血圧脈波研究会(編):新しい血圧測定と脈波解析マニュアル.メジカルビュー,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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