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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻1号

1976年01月発行

文献概要

病気のはなし

肝癌

著者: 遠藤康夫1

所属機関: 1東大第1内科

ページ範囲:P.6 - P.10

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肝癌の分類
 肝癌は原発性肝癌と転移性肝癌とに分けられる.前者は肝臓自体から生ずるもので,後者は身体の他の部分に原発巣があって,肝臓に転移を起こしたもので,この際の原発巣として多いのは,胃,膵,腸管などの消化器と肺などである.
 肝腫が発見された場合にはまずそれが良性のものか,悪性のものかを鑑別する必要がある.脂肪肝,うっ血肝などでも大きくなった肝が触れるようになるが,最も問題なのは肝硬変で,この際にはかなり固い肝が触れるようになる.しかし,なによりも肝硬変の際に肝癌を合併していることが日本では多い.次いで,悪性のものでは肝癌が最も多いが,原発性か転移性(続発性)かが問題になる.外国では転移性肝癌が圧倒的に多いが,日本での両者の差はあまり大きくない.従って肝癌が疑われる場合には,原発巣と考えられる所を徹底的に検索することが必要であるが,同時に原発性肝癌の可能性も考慮しておくことが必要となる.ここでは原発性肝癌について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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