文献詳細
文献概要
基礎から応用へ
体内移行
著者: 大家裕1
所属機関: 1順大・寄生虫
ページ範囲:P.21 - P.24
文献購入ページに移動 寄生虫の固有宿主内での体内移行経路は,それぞれの宿主と寄生虫の関係においてきちんと定まっており,勝手な道すじをたどって寄生部位に達するということはない.我々が初めての土地を訪ねる際,地図を片手にしてさえも,目的とする場所に達するにはたいへんな困難を感ずることが多いことから考えても,このことは驚異に価する.
実際に,2種の生物の間に寄生関係が成立していった長い歴史過程で,どのようにしてこの体内移行経路が決まっていったかということについては,寄生虫学者の間でも様々な議論がなされてきた.再現することのできない過去のことを,いたずらに憶測してあげつらうことは,ただ混乱を増すにすぎない場合が多いが,現存する事実を丁寧に洗い上げ考察を重ねることによって,過去の真実に迫りうることも決して少なくはない.このような立場から,既に知られている体内経路のいくつかを整理して並べてみよう.
実際に,2種の生物の間に寄生関係が成立していった長い歴史過程で,どのようにしてこの体内移行経路が決まっていったかということについては,寄生虫学者の間でも様々な議論がなされてきた.再現することのできない過去のことを,いたずらに憶測してあげつらうことは,ただ混乱を増すにすぎない場合が多いが,現存する事実を丁寧に洗い上げ考察を重ねることによって,過去の真実に迫りうることも決して少なくはない.このような立場から,既に知られている体内経路のいくつかを整理して並べてみよう.
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