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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻10号

1976年10月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

細菌の塗抹検査

著者: 小栗豊子1

所属機関: 1順大病院中検

ページ範囲:P.771 - P.774

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 細菌の塗抹検査は検査成績が早く得られる点で培養検査に優れている.特に髄液,血液,胸水などのグラム染色標本で細菌が検出された場合には,これらの所見は直ちに化学療法剤の選択に役立てられる.一方,材料の塗抹標本の鏡検で細菌の検出が可能な場合は,一般細菌では105/ml以上,結核菌などの抗酸菌では2〜5万/ml以上の菌数が必要であるとされている.漿液性の材料では遠心して沈渣を用いることにより,更に検出率を上昇させることができる.細菌検査の材料は同一検体で塗抹検査と培養検査を行う場合が多く,綿棒,綿球,ガーゼ片などに付着させた材料では培養の際の雑菌汚染を避けるため,まずすべての培地に接種した後,塗抹標本を作成しなければならない.載せガラスは脱脂した清潔なものを用いる.
 図1〜10は検査材料の塗抹標本の作り方を,図11〜14には集落からの塗抹標本の作り方を示した.いずれも塗抹の後,自然乾燥させ,火炎固定を行い,染色の操作に移る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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