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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻11号

1976年11月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

固定の理論

著者: 大網弘1

所属機関: 1国立病院医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.815 - P.818

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 細胞診や組織学的診断を行っている病理診断部門では,細胞または組織の固定は日常の仕事として行われている.しかしこの固定の有する生化学的あるいは組織化学的意味を,深く考えることもなく行っているのが実情だろうと思う.組織を何となくホルマリン液に浸漬することによって固定は完了するものと考えがちである.固定のいかんによっては組織診断が不可能となることもあるし,固定から包埋までの操作の良否によって,その後の薄切,染色と最終的な所見と診断に重大な影響を与える結果となる.最近はこれに加えて組織化学,免疫組織化学や電顕的診断が比較的容易に行えるようになり,初期の固定のもつ意義が非常に大きくなってきたことは周知の事実である.
 このように重要な役割を演じている固定作用のすべてを理論的に説明するのは非常に大きな問題であり,簡単に取り扱えるテーマではなくなる.従ってここでは大体の理論と,日常の生検や剖検についての固定から,その同一材料を電顕にもって行くこともできる比較的安価な方法について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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