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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻11号

1976年11月発行

文献概要

おかしな検査データ

市販プール血清の血清銅測定値について

著者: 小林一二美1

所属機関: 1順大病院中検

ページ範囲:P.853 - P.854

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 私どもの中検では原子吸光装置日立パーキンエルマを使用して,血清鉄,銅,マグネシウム,亜鉛を測定している.その精度管理のために1972年測定開始当初から,市販管理血清(プール血清)を2本ずつ検体中へ投入してきたが特に支障はなかった.この間市販管理血清は3〜4か月間同一ロットのものを使用しており,その成績を月間のx±2SDでみると,鉄:107.27±2.31,CV=2.15%,銅:113.25±2.55,CV=2.25%,マグネシウム:1.52±0.039,CV=2.56%,亜鉛:146.6±4.81,CV=3.28%となっており(1975年10月分),ほぼ安定してロット差はあまりなかった.
 ところが今年3月ロットが変わったところ,鉄,マグネシウム,亜鉛は従来どおりの成績を示すにもかかわらず銅のみ異常低値を示すこと,2本(重複測定ではなく,2本のバイアル)のバラツキも大きいことがしばしば起こるようになった.一方3月から測定者が変わったこともあって,測定操作,原子吸光装置の検討点検も行ったが特に異常は発見されず,その段階で管理血清に疑問が持たれることになった.そこでまず管理血清のロットを変えてみた(低値を示しているロットより後で製造されたもの).しかし,これも同様に1バイアル中の重複測定の差は小さいが,バイアル別の測定値がかなり異なるという現象がみられた.同時に実施した自家製プール血清の再現性は極めて良好である(表).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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