文献詳細
最近の検査技術
文献概要
医学関連領域の拡充,強化の重要性が唱えられている昨今では,薬物検査はより広く,例えば患者についての積極的な薬効評価のようなものにまで及ぶべき使命があると考えるが,こうした問題は別の機会に譲ることとし,本稿においては薬剤中毒の対象の主体を,(1)故意,過失などにより毒性の高い薬剤を服用したと思われる患者の血液,尿,胃洗浄液などからの薬剤の検出,(2)習慣性,乱用性薬物の使用の有無の確認,において話を進めたい.
薬剤中毒の検査法は,一般の臨床化学検査と比較するとたいへんに難しいように考えられがちだが,これは多分に食わず嫌いの要素もあり,かえって容易な点もあるのである.難しい点を挙げれば,(1)一般臨床化学検査ほど術式が一般化していない,(2)対象とすべき毒物が不明な場合が多く,スクリーニングを主眼にした分析が必要とされる,(3)緊急を要することが多く,結果は迅速を要求される,(4)再採取できない検体がほとんどで,失敗を許されない,などである.
薬剤中毒の検査法は,一般の臨床化学検査と比較するとたいへんに難しいように考えられがちだが,これは多分に食わず嫌いの要素もあり,かえって容易な点もあるのである.難しい点を挙げれば,(1)一般臨床化学検査ほど術式が一般化していない,(2)対象とすべき毒物が不明な場合が多く,スクリーニングを主眼にした分析が必要とされる,(3)緊急を要することが多く,結果は迅速を要求される,(4)再採取できない検体がほとんどで,失敗を許されない,などである.
掲載誌情報