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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻2号

1976年02月発行

技術講座 血液

血小板粘着能

著者: 馬場百合子1

所属機関: 1東京医大病院中検

ページ範囲:P.138 - P.141

文献概要

血小板粘着能(adhesiveness of platelet)の原理
 血小板は異物面に触れると粘着する,止血の際は,損傷した血管壁に血小板が粘着し凝集し,血小板血栓を形成して止血の,または血管内凝血の基礎となる.血小板は正常の血管内皮細胞には粘着せず,内皮細胞が障害を受けると粘着する.ことに血管壁が傷害されて,コラゲン線維が露出すると血小板は容易に粘着する.また血小板粘着は,血小板や赤血球からのadenosine diphosphate(ADP)により起こされ,カルシウムイオン,更に血漿中のフィブリノゲン,Von Willebrand因子(抗出血性因子)などを必要とし,血小板の荷電状態も関係する.
 血小板粘着能は異物面に触れると粘着する血小板の性質から,ガラスなどの異物に血液を接触させ,接触させる前と後の血液中の血小板の数を計測し,この差から血小板の粘着率(正確に表現するならば停滞率)を求める.現在,測定に使用する血液には抗凝固剤を加える方法と,抗凝固剤を加えない方法とがあり,一般的には後者の方法が多く使用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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