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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻2号

1976年02月発行

文献概要

技術講座 血清

梅毒補体結合反応(緒方法)・1

著者: 上尾八郎1

所属機関: 1京大病院中検

ページ範囲:P.142 - P.145

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1.原理
 梅毒(syphilis)は性病の一つで,トレポネーマパリズム(Treponema pallidum;1905年ドイツのSchandinnとHoffrnannの共同研究により発見.以下TPと略す)による慢性全身性感染症である.患者の血清あるいは髄液中に脂質及びTPに対する抗体が証明される.
 1906年ドイツの生化学者Wassermannが初めて補体結合反応(complement fixation test)の原理を利用した血清反応による梅毒の診断法を発表し,俄然世間の注目を浴びることとなった.その功績をたたえ,梅毒血清反応史上永久にその名をとどめていることは衆知のとおりである.この発表以来多くの医学者によって改良,工夫が加えられ,他の血清反応では到底比類をみないいくつかの梅毒血清反応が出現し現在に至っている.これらの反応なかんずく抗体検出法を整理すると,それに用いる抗原の種類により,(1)脂質抗原を用いるもの,(2)TP抗原を用いるもの,の2つの系統に大別される.表1は梅毒血清学的診断法を分類したもので,現在検査室で広く行われている方法は表に示した○印のものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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