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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻2号

1976年02月発行

文献概要

技術講座 細菌

ファージ型別(phage-typing)

著者: 潮田弘1

所属機関: 1東京都立衛生研究所細菌第一研究科

ページ範囲:P.146 - P.149

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1.ファージ型別の意義
 多くの病原細菌は生化学的性状や血清学的型別により細かい分類がなされている.しかしながら,中にはこれらの方法による分類,型別が極めて困難か,あるいは不可能な場合がある.他の方法として,バクテリオファージ(以下ファージと略す)の持つ宿主特異性を利用したファージ型別(phage-typing)法がある.生化学的性状などにより菌種までの同定は比較的容易だが,それから先,血清型別法が確立されていないものの一つに黄色ブドウ球菌がある.
 化膿性疾患,肺炎,骨髄炎,腎盂炎あるいは敗血症,更に毒素型食中毒の原因菌となるなど,多様な疾患の原因菌である黄色ブドウ球菌は自然界に広く分布し,しかも健康人の鼻前庭,咽頭,皮膚表面などの常在菌である.このことは臨床材料や食中毒の推定原因食品などから典型的な黄色ブドウ球菌が分離・同定されても,必ずしもこれをその疾患や汚染の原因菌と断定できない理由である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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