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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻3号

1976年03月発行

文献概要

技術講座 一般

尿検査の精度管理

著者: 平沢政人1

所属機関: 1昭和大病院中検

ページ範囲:P.229 - P.231

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 精度管理とは,臨床検査における品質管理のことである.従来の臨床検査は,検査項目数も少なく医師が自らの手で行っており,その結果を直ちに患者の症状と照らし合わせて主持医の描いている病気と一致する成績であるかどうかの判断ができた.ところが現在のような病院中央検査室制度においては,検査するのは臨床検査技師や衛生検査技師であるため,患者の症状その他はいっさい関係なく結果を提出してしまう.ということは,検体を採取し提出する医師や患者と検査技師との間でなんの連絡もないままに検査成績だけ出てくるようなシステムになったわけである.
 もう少し例をあげてみると,医師は原材料を工場へ送り込むだけである.もっとも何を作れという指示は検査依頼表(伝票)に書き込んでくる.それで検査技師はその依頼書に従って製品を作って返却するという作業を行っているにすぎない.従って,製品の良否は検査技師がいかに精密に検査したかというだけではなく,原材料の良否から討論されねばならないはずである.しかし,製品を作る工場側としてはなるべく良い品質のものを供給しなければ注文が止まってしまう.もっと簡単にいうと,間違った検査結果ばかり出していると,医師が検査室を信頼できなくなり,むだな検査はやめようということになって,検査を依頼しなくなってしまう.工場で言えば原材料供給と製品の受け取りを止めてしまうわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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