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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻7号

1976年07月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

ASO価測定

著者: 安田純一1

所属機関: 1国立予研一般検定部血液製剤室

ページ範囲:P.489 - P.492

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1.β溶血とストレプトリジン
 レンサ球菌が動物の赤血球を溶血させることはLingelsheim(1889),Marmorek(1895)以来知られていた.他方,血液寒天に混釈平板培養した際に集落周囲に生ずる溶血帯の所見からBrown(1919)はレンサ球菌をα(緑色帯),β(無色透明)及びγ(不溶血)に分けた.今日では,血液寒天の表面集落の周囲に見られる溶血帯に対してもα,βという表現が用いられている1)
 同じく溶血と言っても,試験管内溶血では赤血球膜が破れてヘモグロビンが外液中に出るので赤インキのように赤色透明となるが,集落周囲のβ溶血ではヘモグロビンの色もなくなって,無色あるいは基礎培地の色だけになる.試験管内溶血に関与するレンサ球菌の産生物質には2種あり2),酸素に不安定なほうはストレプトリジンO(以下SLOと略す),酸素に安定で血清(serum)を含む培地でよく産生されるほうはストレプトリジンS(以下SLSと略す)と呼ばれる.血液寒天平板の表面集落周囲のβ溶血の過程にはSLSが関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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