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文献詳細

雑誌文献

検査と技術4巻8号

1976年08月発行

文献概要

技術講座 一般

尿検査・3—糖

著者: 長岡文1

所属機関: 1東京文化医学技術学校

ページ範囲:P.599 - P.600

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 糖は健康者の尿中にもわずかに排泄されるが,現在普通に用いられている検出法では反応を示さない程度である.糖尿とは多量の糖が尿中に排泄されたものを言い病的とする.普通この糖はブドウ糖である.
 尿中に糖が増加する原因は種々あるが,血液中の糖が上昇した場合(いわゆる糖尿病),腎臓の障害によるもの,その他脳震盪,脳出血,刺激などによる一過性のもの,また健康者でも糖の取り過ぎにより一時的に血糖が上昇した時などにも糖の出ることもある.血液中の糖は食餌を摂取することにより上昇し空腹時には低下するから,空腹時の尿と食後の尿とでは糖の排泄状態は異なる.時間的に採尿して検査に提出されるのはその状態を見るためであり,診療上,薬の効果や食事の量などの参考に用いられるものであるから,その一本一本の尿を大切に検査しなければならない.体の状態は時々刻々変化しているから再び同じ尿を得ることはできない.尿は採取しやすいという心安さからつい気持ちが安易になりやすいが,大切に扱うよう常に心がけていただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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