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検査の昔ばなし
肝検査法の半世紀
著者: 高橋忠雄1
所属機関: 1慈恵医大・内科
ページ範囲:P.706 - P.707
文献購入ページに移動ごく初期の肝検査法は,肝臓の最も重要な機能である糖質,タンパク質,脂質の代謝異常を調べようとするもので,その点から言えば本当の"機能検査"であったわけです.ところが実際には所期の結果は得られずに終わっております.その理由の第1は,これらの物質のうち,当時でも比較的困難なく定量できたのは糖質だけで,タンパク質や脂肪の定量は容易ではなかったということです.第2の理由としては,これらの養素の代謝の障害は,肝障害が極めて重篤な時に初めて見られるということでしょう.従って,軽い潜在性の肝障害を発見する方法としては不適というほかはありません.
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