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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻1号

2012年01月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理〉

病理検査ISO15189

著者: 吉子健一1 松本祐之1 中村栄男2

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門 2名古屋大学医学部附属病院病理部

ページ範囲:P.41 - P.44

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はじめに

 わが国でのISO151891)に基づく臨床検査室の認定は,2005年8月からスタートし約6年が経過した.2011年9月21日現在,60の臨床検査室(うち病理学的検査の認定は8施設)が認定を受けており2),諸外国に比較してその数は決して多くないが3),ISO15189への関心は次第に高まっている感がある.2005年の認定事業開始当初,病理学的検査は認定の範囲に含まれていなかった.その後4年間の検討期間を経て,2009年12月,病理学的検査を含める認定範囲の拡大が行われたことは記憶に新しい.本稿では,初めにISO15189の概要と診療報酬からみた近年の病理学的検査の動向を解説し,続いてISO15189規格の病理学的検査への適用および審査のポイントについて,最後にISO15189認定取得の効果と今後の課題について述べる.

参考文献

1) ISO 15189 Second edition Medical laboratories ― Particular requirements for quality and competence.臨床検査室―品質と能力に関する特定要求事項 英和対訳版.財団法人日本規格協会(http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/ISO/FlowControl.jsp)
2) 公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)のホームページ,認定された機関・試験所・校正機関・臨床検室(http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab exam proof j.cgi?page=13)
3) 久保野勝男,下田勝二:ISO15189と海外の認定状況.生物試料分析 34:19,2011
4) 河合忠,青柳邁:臨床検査室のためのISO15189解説と適用指針.丸善,2007
5) 公益財団法人日本適合性認定協会 平成22年度年次報告書
6) 稲山嘉明:診療報酬の病理項目の概説と今後の課題.検査と技術 39:18,2011
7) 上原剛,小林幸弘,本田孝行:病理部門でのリスクマネージメント.臨床病理 58:847-851,2010
8) 小林博久:病理検査におけるインシデントの現状と対策.Medical Technology 35:374-375,2007
9) 設楽正次,梅津静子,勝野浩:ISO15189認定取得が検査室に及ぼす効果.臨床病理 57:521-526,2009
10) 大野絋宇:ISO15189認定の仕組みと実践編―準備から取得まで―.臨床病理 58:69-72,2010
11) 水口國雄:病理検査室審査(病理学的検査認定における審査のポイント).JAB臨床検査室認定制度説明会予稿集,pp49-78,2010年7月9日
12) 大林光念,寺本弘二,山本景一,他:ISO15189認定取得と病院検査部の発展:熊本大学医学部附属病院中央検査部の経験から.臨床病理 57:156-160,2009
13) 宇治義則,川島猛志,桑原卓美,他:富山大学附属病院検査部におけるISO15189認定の効果.臨床病理 57:752-760,2009
14) 岡田健,糸島浩一,渡部利幸,他:国際規格ISO15189認定の取得と効果―岡山大学病院の経験―.臨床病理 57:971-977,2009
15) 庄野和子,岸美佐子,佐藤光代,他:徳島大学病院でのISO15189認定取得への取り組みと取得の効果.臨床病理 57:1175-1179,2009
16) 北川昌美:ISO15189認定取得のメリット.臨床病理 58:73-77,2010
17) 関顯,Hankins RW,宮哲正:品質マネジメントシステムの有効性.臨床病理 58:78-83,2010
18) 吉子健一:認定の効果と今後の期待(病理学的検査の拡大認定を取得して).JAB臨床検査室認定制度説明会予稿集,pp19-42,2010年5月15日

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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