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増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る Ⅰ 肝・胆・膵疾患
3 アンモニアの異常高値と直接ビリルビン/総ビリルビン比の著明な低下をきたした56歳の男性《劇症肝炎》
著者: 井上和明1 五味邦代1 与芝真彰2
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科 2せんぽ東京高輪病院
ページ範囲:P.884 - P.890
文献購入ページに移動56歳の男性.熱発と全身倦怠感を主訴に近医を受診したところ,風邪との診断で解熱剤の処方を受けた.その2日後に全身倦怠が増強し,さらに妻から目が黄色いことを指摘され,地元の基幹病院を受診した.血液検査の結果,AST2,045U/L,ALT1,895U/Lと著明な高値とアンモニアが635μg/dLと著明な高値であったため,劇症化の危険が高いと判断して当院へ転院となった.
入院時現症:意識状態は一見清明であるが,number connection test80秒,身長170cm,体重69kg,体温37.4℃,血圧128/76mmHg,脈拍78/分,眼瞼結膜に貧血なし.眼球結膜に黄染あり.胸部所見に異常なし.腹部所見では肝臓を右季肋下2横指触知しやや硬.その他異常なし.四肢に浮腫なし.
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