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増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る Ⅰ 肝・胆・膵疾患
7 抗結核薬を内服開始後AST,ALTの異常高値を呈した59歳の女性《薬剤性肝障害》
著者: 富澤稔1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構下志津病院消化器内科
ページ範囲:P.907 - P.912
文献購入ページに移動Ⅰ.症例
59歳の女性.主訴はなし.
現病歴:関節リウマチにて通院中.以前よりメチルプレドニゾロンを内服中であったが,治療効果を高める目的でアダリムマブの投与を開始した.結核の発症を予防するためにイソニアジドの内服を開始した.自覚症状はなかったが,イソニアジド内服開始107日後の定期受診の際に肝機能障害を認め,精査目的で入院となった.飲酒はない.
59歳の女性.主訴はなし.
現病歴:関節リウマチにて通院中.以前よりメチルプレドニゾロンを内服中であったが,治療効果を高める目的でアダリムマブの投与を開始した.結核の発症を予防するためにイソニアジドの内服を開始した.自覚症状はなかったが,イソニアジド内服開始107日後の定期受診の際に肝機能障害を認め,精査目的で入院となった.飲酒はない.
参考文献
1) 滝川 一,恩地森一,高森頼雪,他:DDW-J 2004ワークショップ薬物性肝障害診断基準の提案.肝臓 46:85-90,2005
2) 佐田通夫,久持顕子,中沼安二,他:瘦せ薬・健康食品による薬物性肝障害二次全国調査集計結果(日本肝臓学会主催).肝臓 45:96-108,2004
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4) Chalasani N, Fontana RJ, Bonkovsky HL, et al : Causes, clinical features, and outcomes from a prospective study of drug-induced liver injury in the United States. Gastroenterology 135:1924-1934,2008
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