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増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る Ⅷ 呼吸器疾患
2 ステロイド・免疫抑制剤併用による間質性肺炎治療中,間質性肺炎の悪化と血中サイトメガロウイルスアンチゲネミア・β-Dグルカンの上昇を認めた48歳の女性《サイトメガロウイルス肺炎とニューモシスティス肺炎の合併》
著者: 川島辰男1 芦沢美砂子1 丸山幸造13 松澤康雄1 蛭田啓之2
所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院呼吸器内科 2東邦大学医療センター佐倉病院病理部 3丸山内科医院
ページ範囲:P.1189 - P.1195
文献購入ページに移動48歳の女性.約6か月前より皮疹が出現.次第に悪化し,多発性皮膚潰瘍を形成していたが診断に至らず,当院皮膚科を受診し皮膚筋炎の診断となった.胸部X線・CTで両側下肺に線状・網状影および軽度すりガラス様陰影を認め(図1),間質性肺炎合併の皮膚筋炎と診断.第5病日よりプレドニゾロン(prednisolone)40mg,シクロスポリン(cyclosporine)150mg内服による治療開始となった.治療開始後,皮膚所見は改善していたが,第35病日頃より乾性咳嗽が出現.第42病日,胸部X線撮影・CTで間質性肺炎の悪化を認めた(図2).
第42病日現症:血圧118/88mmHg,体温37.0℃,SpO296%(室内気).頸部にリンパ節・甲状腺腫大なし.胸部は心音純で不整はない.両側背下部にてfine crackle聴取.腹部は肝・脾腫なし.皮疹は両側眼瞼にヘリオトロープ疹,両側手指背にゴットロン(Gottron)徴候,四肢に紅斑を伴う浮腫を認めるが,第1病日と比較し改善あり.
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