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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻11号

2012年10月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈移植医療〉

―移植医療と検査⑫―HLA抗原およびHLA抗体検査の変遷と重要性

著者: 中島文明1

所属機関: 1日本赤十字社中央血液研究所研究開発部

ページ範囲:P.1277 - P.1281

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はじめに

 古くは,白血球と血清の凝集反応パターン解析から,HLA(human leukocyte antigen)システムの解明がスタートした歴史がある.それは,HLA抗原検査でありHLA抗体検査でもあった.1964年にリンパ球細胞傷害試験(lymphocyte cytotoxicity test,LCT)が発表され,長い間,HLA抗原およびHLA抗体検査はLCT主流で実施されてきた.現在では別の形に進化を遂げ,市販試薬として容易に入手可能な時代となった.HLA抗原は,抗原分子そのものを検出する方法から,遺伝子タイピングでより正確に結果を得られるようになった.抗体検査もリンパ球など生体材料を使用する方法から,培養細胞や遺伝子導入技術を応用した人工的な抗原試薬を用いて検出できるようになった.

 本稿では,利便性が実現したHLA検査法とその問題点を見据えながら,移植医療での重要性について述べる.

参考文献

1) Erlich H : HLA DNA typing : past, present, and future. Tissue Antigens 80:1-11,2012
2) 中島文明:移植における抗体検出法.今日の移植 19:135-142,2006
3) Morales-Buenrostro LE, Terasaki PI, Marino-Vázquez LA, et al : "Natural" human leukocyte antigen antibodies found in nonalloimmunized healthy males. Transplantation 86:1111-1115,2008
4) 田中秀則:第15回HLA-QCワークショップレポート―部門別解析DNA-QCおよび結果評価.日本組織適合性学会誌 19:29-30,2012
5) 日本臓器移植ネットワークNEWS LETTER.Vol.15,pp5-6,11,2011
6) 猪子英俊,笹月健彦,十字猛夫:移植・輸血検査学.講談社サイエンティフィク,pp123-133,2004
7) Kawase T, Morishima Y, Matsuo K, et al : High-risk HLA allele mismatch combinations responsible for severe acute graft-versus-host disease and implication for its molecular mechanism. Blood 110:2235-2241,2007
8) Takanashi M, Atsuta Y, Fujiwara K : The impact of anti-HLA antibodies on unrelated cord blood transplantations. Blood 116:2839-2846,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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