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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻11号

2012年10月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

国立がん研究センター中央病院における洗浄血小板の適応および調整方法

著者: 熊澤寛子1

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院病理・臨床検査科

ページ範囲:P.1282 - P.1283

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はじめに

 血小板製剤(platelet concentrates,PC)の輸血は他の血液製剤と比べて非溶血性輸血副作用の出現頻度が高い.非溶血性輸血副作用には蕁麻疹,発熱,呼吸困難,血圧低下,アナフィラキシーショックなどがある.これらの副作用はPCに含まれる血漿蛋白成分や炎症性サイトカインに起因すると考えられ,PCの洗浄・置換によって血漿成分の大部分を除去することで副作用の発生を減少させることができる1,2).PCの洗浄方法には洗浄置換液を加えた血小板を遠心して血漿を除去した後,再度洗浄置換液を加えて血小板を再浮遊させる洗浄置換法(WR-method)と,洗浄置換液を添加せずに血小板をそのままの状態で遠心し,血漿を除去後に洗浄置換液を加える置換法(R-method)の2法がある3)

 平成24年度診療報酬改定で血液・造血器疾患において血小板洗浄術加算580点が新設されたこともあり,医療機関での血小板洗浄への関心が高まっている.そこで医療機関での洗浄方法の一例として当院の調整方法を紹介する.

参考文献

1) 麻田真由美,菅野知恵美,川本佳代,他:洗浄血小板による輸血副作用の防止.日本輸血学会雑誌 48:32-36,2002
2) 秋野光明,平山順一,田村暁,他:洗浄・置換血小板に用いる洗浄置換液(M-sol)の製造と保存.日本輸血細胞治療学会誌 56:365-372,2010
3) 秋野光明,田村暁,平山順一,他:二種類の洗浄・置換血小板の調整法に関する検討.日本輸血細胞治療学会誌 55:698-704,2009
4) 洗浄・置換血小板製剤の適応およびその調整の指針(VersionI).日本輸血・細胞治療学会,2008
5) 洗浄・置換血小板製剤の適応およびその調整の指針(VersionII).日本輸血・細胞治療学会,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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