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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻12号

2012年11月発行

文献概要

技術講座 免疫血清

ゲルカラム凝集法による輸血検査

著者: 小黒博之1

所属機関: 1バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社診断事業部カスタマーサポート部

ページ範囲:P.1336 - P.1344

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新しい知見

輸血に先立って実施される血液型検査,不規則抗体スクリーニング,交差適合試験などの検査は,従来主として試験管法による用手法によって実施されてきた.しかし,試験管法は検査手技,凝集判定など検査実施者による個人差が大きいなどのデメリットがあり,近年輸血検査の標準化を目的とした新しい輸血検査法が普及してきており,その一つとしてゲルカラム凝集法がある.また,ゲルカラム凝集法により輸血検査の自動化が可能となり,輸血検査の標準化のみならず,輸血検査部門における業務効率化やヒューマンエラー回避による輸血検査の安全性向上を目的として自動輸血検査機器の導入,システム化が進んでおり,今後さらなるゲルカラム凝集法の導入,輸血検査の自動化・システム化が予想される.

参考文献

1) 平成22年度日臨技臨床検査精度管理報告書:輸血検査部門⑧輸血検査サーベイ報告.社団法人日本臨床衛生検査技師会,2010
2) Lapierre Y : Present and Future of The Gel Test : Presentations and Posters from the First International Symposium. Montreux 17-18 March 1993.DiaMed AG, Cressier sur Morat, Switzerland,1994
3) Lapierre Y, Rigal D. Adam J, et al : The gel test : a new way to detect red cell antigen-antibody reactions. Transfusion 30:109-113,1990
4) Langston MM, Procter JL, Cipolone KM, et al : Evaluation of the gel system for ABO grouping and D typing. Transfusion 39:300-305,1999
5) Weisbach V, Ziener A, Zimmermann R, et al : Comparison of the four microtube column agglutination systems in the detection of red cell alloantibodies. Transfusion 39:1045-1050,1999
6) 吉田久博,万木紀美子,伊藤和彦:Micro Typing Systemゲル遠心法による輸血検査.日本輸血学会雑誌 40:62-67,1994
7) 佐々木正照,山田美代子,金子礼子,他:各種検査法における赤血球IgG性同種抗体の検出感度の検討.日本輸血学会雑誌 49:640-645,2003
8) 石丸健,酒谷真一,加藤俊明,他:冷式抗体保有例におけるカラム凝集法の有用性.日本輸血学会雑誌 45:258,1999
9) Winters JL, Richa EM, Bryant SC, et al : Polyethylene glycol antiglobulin tube versus gel microcolumn : influence on the incidence of delayed hemolytic transfusion reactions and delayed serologic transfusion reactions. Transfusion 50:1444-1452,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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