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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻12号

2012年11月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

閉塞性黄疸と血清ビリルビン

著者: 海老原裕磨1 加藤健太郎1 松本譲1 土川貴裕1 七戸俊明1 田中栄一1 平野聡1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅱ

ページ範囲:P.1351 - P.1354

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はじめに

 黄疸とはビリルビン代謝が疾患により破綻し,血清をはじめとする体液にビリルビンが貯留した状態である.ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが変化してできた物質で,肝臓で作られる胆汁の主成分の一つである.赤血球が分解され,血液中から肝臓へ運ばれたビリルビンは肝細胞内にてグルクロン酸抱合を受け,胆汁の成分として胆管内に排泄される.これらのビリルビン代謝のいずれかが障害されることにより高ビリルビン血症(黄疸)となる.黄疸をきたす疾患は数多くあるため,鑑別診断を行う際には原因となる病態を正しく理解することが重要となる.本稿ではまず正常のビリルビン代謝について述べ,次いで黄疸の鑑別診断ならびに閉塞性黄疸に対する術前減黄法などについて解説する.

参考文献

1) 山本俊夫:ビリルビン代謝と黄疸の分類・成立.戸田剛太郎(編):消化器病学.医学書院,pp317-334,1995
2) 山岸由幸,石井裕正:黄疸.消化器病診療編集委員会(編):消化器病診療.医学書院,pp15-18,2004
3) Nagino M, Kamiya J, Uesaka K, et al : Complications of hepatectomy for hilar cholangiocarcinoma. World J Surg 25:1227-1283,2001
4) 梛野正人:肝門部胆管癌に対する術前胆道ドレナージに関する諸問題.肝胆膵画像 11:255-260,2009
5) 平野聡,近藤哲,田中栄一,他:ENBDを標準とする術前減黄.肝胆膵画像 11:261-265,2009
6) Kamiya S, Nagino M, Kanazawa H, et al : The value of bile replacement during external biliary drainage : an analysis of intestinal permeability, integrity, and microflora. Ann Surg 239:510-517,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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